鳴子温泉の泉質について

鳴子温泉旅館組合は「鳴子温泉の軌跡、9種類の泉質にみる特長と効能一覧表」
と題して下記のようにホームページに掲載しています。
(*軌跡という表現はおかしいなあ・・・)

http://www.naruko-onsen.jp/senshitsu/index.html

1.泉質名 単純温泉 姥の湯旅館

2.泉質名 重炭酸土類泉(炭酸水素塩泉) 鳴子観光ホテル、他

3.泉質名 重曹泉(炭酸水素塩泉)西多賀旅館、旅館すがわら、他

4.泉質名 食塩泉(塩化物泉)ホテル扇屋、他

5.泉質名 芒硝泉・石膏泉・正苦味泉(硫酸塩泉)大正館、滝の湯、他

6.泉質名 明ばん泉(硫酸塩泉)滝の湯

7.泉質名 緑ばん泉・炭酸鉄泉(鉄泉)滝の湯

8.泉質名 硫黄泉・硫化水素泉(硫黄泉)ゆさや旅館、滝の湯 他

9.泉質名 酸性泉(酸性泉)吟の庄、滝の湯

このページには効能の項目に「飲用」も記載されていますが、鳴子温泉郷
全体で飲用許可を取っていて飲めるのは中山平温泉「あすか旅館」だけです
から配慮が足りないような気がします。

さて、泉質についてです。
滝の湯が5種の泉質に出てきます、また旅館すがわら、東多賀の湯も2種
の泉質に出てきますが、これらの施設が掲示している源泉は一種類です。

4種類の異なる源泉を引いている姥の湯旅館が4種の泉質にそれぞれ表示
されるのは当然ですが例えば旅館すがわらが掲示している泉質は「含芒硝
-重曹-食塩泉」ですから掲示用泉質「4.塩化物泉」の分類に入れるのが
正しいわけで「3.重曹泉」の中に入れるのは誤りではないでしょうか?

5.芒硝泉・石膏泉・正苦味泉(硫酸塩泉)、6.明ばん泉(硫酸塩泉)と
いう分類表示もおかしいのではないでしょうか?

そしてさらに「滝の湯」です。
滝の湯の泉質(旧名)は「酸性含明礬・緑礬 芒硝硫化水素泉」で新泉質名
の表記をすれば「酸性含硫黄-ナトリウム・アルミニウム・カルシウム・鉄
(2)-硫酸塩泉低張性弱酸性高温泉」という長ったらしい名前になりますが
この滝の湯を5種類の泉質に複数入れるのは泉質数の水増しのような気が
します。

鳴子温泉旅館組合の9種類の表示が何に基づいているか書かれていませんが
環境省の新旧泉質対照表を基に旧泉質名と掲示用泉質名を表示すると下記の
ようになります。
環境省 新旧泉質対照表'
http://www.env.go.jp/nature/onsen/reference/02.pdf

旧泉質名
1.単純温泉
2.単純炭酸泉
3.重炭酸土類泉
4.重曹泉
5.食塩泉
6.硫酸塩泉
7.鉄泉
8.緑礬泉
9.硫黄泉
10.酸性泉
11.放射能泉

掲示用泉質名
1.単純温泉
2.二酸化炭素泉
3.炭酸水素塩泉
4.塩化物泉
5.硫酸塩泉
6.含鉄泉
7.含アルミニウム泉
8.含銅-鉄泉
9.硫黄泉
10.酸性泉
11.放射能泉

私は決して鳴子温泉の泉質が少ないと言っているのではなく9種類という表現
がおかしいし鳴子温泉の泉質を正しく伝えていないのではと思っているのです。

掲示用泉質名だけでは鳴子温泉の泉質を伝えることに無理が生じてしまいます。
そもそも上記環境省の新旧泉質対照表の中にある旧泉質名は大分類で11種類
ですが、泉質名を列記すれば67種類になります。

私がまとめた鳴子温泉の泉質別一覧表では79の入浴施設に35種類の泉質が
あります。(施設の数はもっとありますからこれ以上の泉質があるはずです)
http://www.narukospa.com/onsenbunseki.html

(社)日本温泉協会の「温泉百科」にある「温泉の泉質いろいろ」には次のように
書かれています。
http://www.spa.or.jp/hyakkka/5.htm

注意しなければならない点は、実際の温泉は様々な成分が複雑に入り
交じっているということです。中には泉質を特定できない温泉も存在します。
温泉は源泉ごとにそれぞれの特徴を持っています。
つまり日本にある26,000本ほどある源泉の泉質は、厳密に言えば全て
違うものなのです。

私もその通りだと思います。

9種類という表現を改めて


鳴子温泉にある370本以上の源泉はすべて異なる泉質を持っています。
また、異なる泉質とともに様々な温泉成分が数多く含まれていることやその
数値の高いことも特徴です。

その温泉の効能・効果は「かっけ(脚気)川渡、たんせき(胆石)田中、せんき
(疝気)車湯、かさ(瘡)鳴子」とうたわれるほど古くから体験的に知られていて
湯治場として栄えていました。

昭和19年に東北大学医学部付属鳴子分院が開設されて日本の温泉療法の
研究に鳴子温泉の泉質・温泉成分が多大な貢献をもたらし、現在は大崎市民
病院鳴子分院の温泉リハビリテーションに引き継がれています。
昭和35年には温泉の効能が顕著であること、湧出量が豊富であること等により
中山平温泉、鬼首温泉、川渡温泉が全国で21番目に国民保養温泉地の指定
も受けています。

最近は温泉療養や湯治だけではなく、天然温泉がもたらす自然の美肌効果に
よって美人の湯としても人気が高まってきました。


鳴子温泉成分一覧表/湯けむりの町







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